2005年06月05日

「裏庭」梨木香歩 ○

裏庭
裏庭
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6. 5
梨木 香歩 / 梨木 香歩著
理論社 (1996.11)
通常24時間以内に発送します。



戦前は英国人一家の別荘として使われていたバーンズ屋敷。
その一家が帰国してからは、荒れたその屋敷は地元の子供達の格好の遊び場でした。
主人公・照美はある事件をきっかけに屋敷に入り、異彩を放つ大鏡を見つけます。
それは、バーンズ家に代々受け継がれてきた「裏庭」への入り口だったのです。
裏庭が導く、照美の旅の物語。

あらすじの説明が難しいです。
ファンタジーらしいファンタジーなんじゃないかと私は思います。
照美は、裏庭で庭番・スナッフに出会い旅に出るわけですが、
この旅は異世界における旅でありながら、彼女が過去と現実に向き合い、
そしてこれからを塗りかえる、彼女自身の成長の旅でした。
同時に弟の死から、ちぐはぐになった家族の絆を新しくする事件でもあったのです。

照美と両親と弟・純の物語でありながら、レイチェルやおじいちゃん、夏夜さんから
繋がっていくさっちゃんと妙さんという母娘の存在も大きい物語だと思います。
初めて読んだ時は小学生でしたので、照美やテナシの自分の発見に
心打たれたものですが、今、改めて読み返してみると妙さんとさっちゃん母娘の
悲しさも強く感じられます。大鏡は「アイル・テル・ユウ」と応えますが
「裏庭」の世界が読み手に教えてくれる感覚は今も以前も重みのあるものでした。

好きなシーンは沢山あるのですが、照美のパパ・徹夫が純に笑顔で応えるシーンです。
さっちゃん・照美の泣くシーンも片割れを抱きしめるシーンも感動しましたが
一瞬の一人だけの現実が、やはり記憶に残りました。

読みやすさ:★★★
好きな人はぐんぐん読めるんじゃないかと思うのですが、
誰にとっても読みやすい類の本ではないので。
posted by ks at 21:04 | TrackBack(2) | な行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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