古川日出男の本は面白いらしい、という情報がいろんなブログ、
書評を読んでインプットされていた。
「アラビアの夜の種族」を読もうか迷ったが、
表紙のインパクトが強かったので、こちらを手に取ってみた。
20世紀は軍用犬の、犬の時代だった。
全てを見下ろした犬ライカ、アリューシャンに捨てられた北ら4頭。
繋がる血統。そしてベルカとストレルカ。
彼らは生き、戦う。
凄い話だ、と思った。決して親しみやすくはないけれど、
読み応えとか、独創性とか話そのものが、他と一線を画している感じ。
ふっと浮かぶような、好きだな・嫌いだなという物差しでは測れない。
これを、面白い、と断言できた人も凄いなぁ。
私は、面白かった、というより圧倒された!という感じだったので、
面白かった?と聞かれるとちょっと唸ってしまう。
これだけの本もある、という事に感動したとははっきり言えるけど。
最初は前に戻ったりしながら読んでいたが、
(系図を書きながら読み進んだという書評も見たけど、面倒くさかった)
結局、家で改めて系図を描きながら再読してしまった。
これから読む方が、この本を読み込みたいならば、
ぜひ最初から系図と軽い年表(近代世界史ばっちりならいらないかも)を
書くことをおすすめしたい。
これは、その方が運命の数奇を感じられる話だと思う。
戦争と軍用犬の時代、20世紀を犬の運命から追いかけるという
奇抜で且つ皮肉的な話だった。
読みやすさ:★★(★)
好みが割れそうな本。私は嫌いじゃないかな。
でも、片手間に気楽には読めない本だと思う。
この作家の本が、みんなこんな雰囲気だったら2作くらいで
私は食傷気味になるかもしれない。



